spg roller crank


SPG ROLLER CRANK はドイツ製で3ピースに分かれる組立式のクランクです。
コンロッドピンが3箇所圧入されており、ビックエンドには2分割プレーンメタルではなくニードルローラー(コロ状)ベアリングが使われてます。
非常にフリクションロスが少なくフリーの状態で勢いをつけて回すと5ー6回転した後、振り子運動を続けるくらいです。

コンロッド自体はキャップとそれを繋ぐボルトが無いため、かなりコンパクトで軽量、
当然油圧は保持できないのでクランクシャフト自体にはオイルラインはありません。

フルサークカウンターウエイトなのでかなり重くクランク自体がフライホイールの役目もはたしています。

圧入組み立て式なのでドラッグスタートなどの急激なパワーでねじれてセンターがずれてしまう事があるため、後に圧入部分に横からドリルで穴を空けノックピンと溶接で対処した様です。


クラウン フライホイール

クランク自体が重いためフライホイールはアルミとスチールの3ピース構造で超計量、クラッチを繋ぐのと、スターターでリングギアを回すだけの物になっていますノーマルの7.3kgに比べて3.2kgしか無く親指と人差し指の2本でつまんで持ち上げられるくらいです。

スチールプレートが薄いのでレースには熱問題で向いていませんが、ストリートで使うにはテストしてみましたが問題ありませんでした。
ちなみに現在のオフセットされた8pinはSPGパターンと呼ばれSPGが始めたらしいです。


メールの
やりとりではストローク69mmとの事で手に入れたんですが例によって、アメリカンの話しで届いたら69mmでは無く、しかもピストンピンサイズが20mmでした

コンロッドブッシュを22mmにする方法も考えましたが、ロッドがクランクから外せないので予算的に無理、やってくれる所もないでしょうし、、、、
ピストンピン20mmのボアアップキットは現在の販売されておらず
ここでしばらくの間どう対処するかで計画一時中止。

ネットで探し続けるとNPRとDDSのコラボレーションで1200用ボアアップピストンが存在するとゆう情報を海外のネットのコラム上で見つけたのですが、約40年も前のレアパーツ、まず無理、、、、もしあっても
USEDだろうし、使えるかどうかさえ怪しい。 

ところが探してみるもんですね!。検索すると海外サイトでNOSを見つける事ができ計画再開です。
普通、オークションで探し出すのに何年もかかる物なんですが、あまりにも幸運です。


NPR( 日本ピストンリング)の当時の物で非常に造り、精度が良く仕上げも綺麗です。DDSからのオファーで造られています。

現在のコンピュータで管理NC旋盤ではなく、職人が一つずつ確認しながら手作業で物が造られていた時代の物です。
製作精度自体は現在の方がイイとは思うんですが、今流通しているパーツは測定してサイズ確認しないと怖くて使えません



とりあえず仮組み合わせしてみたのですがピストンがコンロッドと干渉する部分があり、かなりの加工が必要でした。


現在流通している物とは格段の差があります、さすがメイドインジャパン!。

NPRーDEANO
 

スカート部分にはスチール製のプレートが2箇所鋳込であります。(右下の茶色部分)

1200コンロッド用の20mmピストンピンです。

22mmのレーシングライトウエイトピンぐらい軽いです。

ピストンとコンロッドビックエンドが干渉するので逃げ加工を数箇所、何度も脱着仮組みの繰り返しです。

通常のコンロッドよりスモールエンドの幅が広いのでピストンピンが入る部分を削って加工します。

これもコラムで見つけた情報で、情報が無ければ見落としてしまうところでした。

そのままでも組めるのですが、実際エンジンが稼動したときにはコンロッドはかなり左右にエンドプレイがあり接触して削れてしまいます。その分を余裕を見て加工し、方バンクのみピストンシリンダーを仮組みして裏側からエンドプレイを確認。

コンロッドは表面は強度を増すためか処理されており茶色になっています。

GERMAN HUNGER製 ボーリングツール

EMPIとのダブルネームです。ずいぶん前に手に入れてのですがやっとの出番!。ヘッド、ケース側の両方を加工できます。

穴の二つ空いたプレートはシリンダーヘッド用のアダプター、1200−1600EGともOK.

キレイなメタリックブルーのハンマートーンペイントでBOSCH019ディストリビューターの色にそっくり。

三つの丸い円柱部分が裏側からネジをまわす事により出てきてノーマルケースボアでセンターを出しスタッドで固定します。

センターの穴に丸いシャフトのジグを入れてバイト先端までの距離をノギスで測定し、ジグ直径の半分の数値を引いた数値がケースボアの半径数値になります。

今回はピストンの干渉を防ぐため通常より深くカット、一穴約15分くらいで意外と簡単に終了。
特に力を入れる必要もありません、ジグのセットが終われば作業は早いです。


通常のカットであればもっと早く終わります。

ケースの反対側からシリンダーボアゲージを入れ、測定しながら2ステップのボア加工も可能。


シリンダーヘッド側は旋盤で専用ジグを作ってもらい簡単にセンターが出せるようにしました。

バーグにも似たようなカッターがありましたが、フライス盤にセットしないとキレイなカットは難しいはずです。


このボーリングツールはバイトの送りを微調整しながら手でカットするためカンナで木材を削る感じです、仕上がりもキレイ。

当然ながらクランクピンにオイルラインがない為、油圧はかかりません。メインメタルにクサビ型の溝を加工して油圧でオイルを飛ばすジェットホールを造り、そのミスト(飛沫)で潤滑するとゆう面白いシステムが考えてあります。


1番はフロント向き、センターメタルは両側に、3番はフライホイール向きにジェットを作ります。


画像は当時のNOSコルベンシュミットの加工済メタルキットです。


これも普通では、まず探しても見つからないようなアイテムですがタイミング良くNOSを発見。

画像はネット上でずいぶん前から知っていたのですが、実際のジェットホールのサイズが確認できたので助かりました。

NOSを見本にして、現在流通しているコルベンシュミットのメインメタルをカットしてオイルジェットのホールを造ります。

クランクに一箇所ホールがあり一回転ごとに隣りのコンロッドにミストが飛ぶ様に設計されています

コラムにオイルミストが途切れない様に長時間アイドリングさせて油圧を下げない!。と書いてあります。


検索で探したコラムの情報はかなりありがたいものでした。
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